ほくろ・イボの治療について

ほくろとは

ほくろ

ほくろは皮膚の良性腫瘍の一種で、医学的には「母斑細胞母斑(ぼはんさいぼうぼはん)」や「色素性母斑(しきそせいぼはん)」と呼ばれます。皮膚の中でメラニン色素を作り出す「母斑細胞」が増殖することで発生します。

基本的にはそのまま経過を見ても健康上の問題はありませんが、ごく稀に「悪性黒色腫(メラノーマ)」などの悪性腫瘍が隠れている可能性もあるため、気になる場合は自己判断せず医師にご相談ください。

ほくろの種類とタイプ

  • 色素性母斑/母斑細胞母斑:最も一般的なほくろ。平らなものから盛り上がったものまで様々です。
  • 青色母斑:皮膚のやや深い部分に母斑細胞があるため、青っぽく見える硬めのほくろです。
  • ミーシャー型/ウンナ型:加齢とともに盛り上がりが目立ち、色が薄くなる(肌色〜淡褐色)タイプのほくろです。

要注意な「悪性を疑うほくろ」のサイン(ABCDE基準)

以下の特徴に当てはまる場合は、早めの受診をおすすめします。

  • A(Asymmetry:左右非対称):形が左右対称ではない
  • B(Border:輪郭がギザギザ):境界がぼやけている、染み出している
  • C(Color:色むら):1つのほくろの中に、黒・茶・赤・青など様々な色が混ざっている
  • D(Diameter:大きさ):直径が6mm以上ある
  • E(Evolving:変化):短期間で急に大きくなった、出血や潰瘍がある

イボとは

イボは大きく分けて、ウイルスが原因で感染する「ウイルス性」のものと、加齢や紫外線が原因でできる「加齢性」のものの2種類に分類されます。

イボの種類とタイプ

  • 尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい):ウイルス性のイボ。ヒトパピローマウイルス(HPV)が関与していることが多く、皮膚の微細な傷から感染してできるイボです。
  • みずイボ(伝染性軟属腫):主にお子様に多く見られる、表面がツルツルして中央が若干窪んで見えることの多い、ウイルス性のイボです。胸やお腹などの体幹、脇の下、腕の内側、太ももの付け根など、皮膚が薄く擦れやすい部位にできやすい特徴があります。
  • 脂漏性角化症:加齢や紫外線による刺激を原因として出現する、一見シミのように見えるイボです。40代以降に現れやすく、常色・褐色・黒色と色調は様々です。

当院のほくろ治療アプローチ

ほくろは、見た目以上に皮膚の深い部分(真皮層)まで根を張っていることが多くあります。治療法としては、切除による治療(保険診療)、炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)による治療(自費診療)をご選択頂けますが、病変除去の確実性と、傷あとの少なさという点を双方考慮しながら、サイズや部位に応じた最適な治療法をご提案しております。

切除縫合法(手術)|保険診療

ある程度の大きさがあるほくろや、盛り上がりが強くレーザーでは再発リスクが高いと判断されるものに対して行います。ほくろの周囲をメスで切除し、皮膚を綺麗に縫い合わせる方法です。手術で採取した検体については、病理検査に提出し、約10日後に結果が返ってきます。

適応:大きめのほくろ、盛り上がりの強めのほくろ、色が濃い(深い)ほくろ、四肢体幹のほくろ、悪性の疑いがあり病理検査が必要な場合

切除縫合手術の治療の流れイメージ図

※病変のサイズ、形態、部位によってはくり抜き法が選択されることがあります。

切除縫合法(手術)の症例

切除縫合法(手術)の症例
年齢・性別60代・男性
症状・診断名右鼻翼色素細胞母斑
施術回数手術1回
治療期間R7.02.28〜R7.05.23(約3か月間)
主なリスク、副作用創部の赤み、感染、出血、色素沈着、ケロイドなど

炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)治療|自費診療

水分に反応するレーザーを用い、ほくろの組織をピンポイントで蒸散(削り取る)させる治療法です。当院では炭酸ガスレーザーの中でも非常に精度の高い「AcuPulse(アキュパルス)」を導入しております。周囲の正常な皮膚への熱ダメージ(炭化)を極限まで抑え、表層だけを美しく蒸散させることができるため、従来のレーザーに比べて傷あとが圧倒的に残りにくいのが特徴です。深く削りすぎると凹んだ傷あととして残りやすく、修正が困難となるため、当院では複数回の処置を前提にご案内させて頂くことが一般的です(6か月の再発保証付き)。

適応:小さめのほくろ、色が薄め(浅め)のほくろ、顔でほくろが多発している場合

炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)によるほくろ治療のイメージ図

当院のイボ治療アプローチ

液体窒素凝固療法|保険診療

マイナス196℃の液体窒素を用いてイボの組織を急激に冷やし、凍結させて壊死させる治療法です。

適応:四肢(手足)や体幹(胴体)にある、尋常性疣贅(ウイルス性イボ)

※注意点
数週間おきに複数回の通院治療が必要です。また、顔面や首に液体窒素を使用すると、高い確率で頑固な「炎症後色素沈着(シミのような跡)」が残るリスクがあるため、当院では顔・首への液体窒素治療は行っておりません。

炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)治療|自費診療

炭酸ガスレーザーは、イボに対しても非常に優れた治療法です。ほくろに比べ、イボは表層までに留まる病変のため、平坦にするところまで削ることで除去できることが多いです。数が多い時にもお勧めの治療法です。

適応:顔面や首のイボ(脂漏性角化症・尋常性疣贅)

炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)によるイボ治療のイメージ図

炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)治療の症例

炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)治療の症例
年齢・性別60代・男性
症状・診断名脂漏性角化症(老人性イボ)
施術回数CO2レーザー 1回
治療期間R7.07.11(照射前後の写真のみ)
主なリスク、副作用照射部の赤み、腫れ、水疱、色素沈着

治療の流れ(炭酸ガスレーザーの場合)

  1. カウンセリング・診察:医師がほくろやイボの状態、深さ、悪性の徴候がないかを詳細に診断します。
  2. 麻酔(必要に応じて):痛みを取り除くため、局所麻酔(注射または麻酔クリーム・テープ)を使用します。
  3. レーザー照射:AcuPulseを使用し、病変部を精密に削ります。処置時間は1箇所につき数分程度です。
  4. アフターケア:保護用の軟膏や被覆材を使用し、創部を保護します。

施術後の経過とアフターケア

レーザー治療後の仕上がりは、ご自宅でのアフターケア(約1〜2週間)が非常に重要です。

  • 浸出液と上皮化:治療直後は傷の赤みが残りやすいです。最初の数日は浸出液が出ることもありますが、基本数日で新しい皮膚が張る(上皮化)ことが一般的です。
  • 赤みと色素沈着:皮膚が張った後は、しばらく赤みや色素沈着が続きます(数ヶ月〜半年程度)。その後、徐々に肌色に馴染んでいきます。この期間に紫外線を浴びると色素沈着が濃くなりやすいため、徹底した日焼け止め(UVケア)をお願いしています。
  • メイク・洗顔:洗顔やシャワーは当日から可能です(創部を強くこすらないでください)。メイクは保護テープの上からであれば当日から可能です。

よくある質問(Q&A)

Q. 1回で綺麗に消えますか?

切除の場合、病変をしっかり皮膚全層で切り取るため、1回で完全に除去されます。その代わり、創部の縫合および抜糸が必要となります。炭酸ガスレーザーの場合、イボは基本1回の処置で除去可能ですが、ほくろは根が深いものも多いため、当院では複数回の処置を前提に、凹みに注意しながら処置させて頂く方針とさせて頂いております(6か月の再発保証付き)。

Q. 治療は痛いですか?

レーザーそのものは痛みを伴うものになります。痛みを軽減するために麻酔の注射や塗布麻酔、テープ麻酔を使用させて頂いております。病変に対して必要な処置の程度によってご相談させて頂いております。

Q. 保険は使えますか?

手足などのウイルス性イボに対する液体窒素治療や、切除縫合手術は保険適応となります。炭酸ガスレーザーは自費診療となります。