コラム

ボトックス注射が効く部位と効果|顔から体まで完全ガイド

2026.03.16

皆様、こんにちは!林です。

美容医療といえば様々な治療法がありますが、中でもボトックス注射は比較的馴染みのある治療法であるかと思います。一方で、「毒素って聞くと怖い」「本当に安全なの?」という声も少なくありません。そうした不安に対して、正しい知識を持つことが大切です。今回はそんな「ボトックス注射」について、詳しく解説していきたいと思います。

ボトックス注射とは?その仕組みと安全性

世界で認められた美容医療

ボトックス注射は、美容医療の世界で最も広く行われている治療のひとつです。全世界で年間460万人が受けているこの治療は、A型ボツリヌス毒素を用いて過剰な筋肉の働きを弱めることで、さまざまな効果を実現します。

安全性への配慮

「毒素」という言葉に不安を感じる方もいるかもしれません。しかし、ボツリヌス菌から抽出したA型ボツリヌス毒素は、いわゆる「タンパク質」で、人体に悪影響が出ないよう調整されています。20年以上前から眼科、小児科、整形外科でも使用され、特に米国アラガン社製のボツリヌストキシン製剤「ボトックスビスタ®」は厚生労働省も認可している薬剤です。

作用メカニズム

ボトックス注射の仕組みは、神経伝達物質であるアセチルコリンの分泌を抑えることにあります。筋肉を動かす信号が弱まることで、緊張している筋肉の働きが緩和されます。この作用により、表情じわの改善や小顔効果、多汗症の改善など、幅広い効果が期待できるのです。

顔への効果:表情じわを改善する主要部位

顔の表情じわは、日々の表情筋の動きによって刻まれていきます。ボトックス注射は、この表情筋の過剰な収縮を抑え、習慣的な動きを止めていくことで、、しわを目立たなくさせる効果があります。

眉間のしわ

眉間のしわは、怒っているような印象を与えてしまいがちです。眉を中央に寄せる動作には、皺眉筋(しゅうびきん)と鼻根筋(びこんきん)が関わっています。これらの作用が強いと、深い縦じわが刻まれます。ボトックス注射をこれらの筋肉に打つことで、眉間にしわが寄りにくくなり、穏やかな表情を保てるようになります。

額(おでこ)のしわ

額のしわは、眉を上げたり驚いたりする表情で目立ちます。額を上げ下げする際に使われる、前頭筋(ぜんとうきん) s表情筋の収縮が繰り返されることで、横じわが深く刻まれていきます。ボトックス注射により、この筋肉の過剰な動きを抑え、しわを目立たなくする効果が期待できます。

ただし、眼瞼下垂(まぶたを上げる筋肉が弱まっている状態)の症状がある場合、額へのボトックス注射は目が開きにくくなる原因となる可能性があります。薬剤の単位数や注射を打つ箇所など、医師との入念な相談が重要です。

目尻のしわ

笑った時にできる目尻のしわは、「カラスの足跡」とも呼ばれます。目の周りの眼輪筋(がんりんきん)が収縮することで生じるこのしわは、乾燥や紫外線の影響も受けやすい部位です。ボトックス注射により、眼輪筋の過剰な動きを和らげることで、笑顔の際のしわが目立ちにくくなります。

小顔効果:エラボトックスの魅力

切らずに小顔を目指せる選択肢

エラの張りが気になる方にとって、ボトックス注射は切らずに小顔を目指せる選択肢です。エラの張りの原因が咬筋(こうきん)という筋肉の発達にある場合、ボトックス注射が効果的に働きます。

咬筋が発達する原因

咬筋は、ものを噛んだり歯を食いしばったりすることで発達します。ストレスによる歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は、常に咬筋のトレーニングをしているような状態となり、エラが張って見えることがあります。

エラボトックスの効果

ボトックス注射を咬筋に打つことで、筋肉の働きが抑制され、徐々に筋肉が痩せ細っていきます。これにより、フェイスラインがすっきりとし、小顔効果が期待できます。また、歯ぎしりや食いしばりの改善にもつながるため、歯科医から紹介されるケースもあります。

エラボトックスが適さないケース

ただし、エラ張りの原因が骨格や脂肪にある場合は、ボトックス注射では改善が難しいことを理解しておく必要があります。骨格が原因の場合は骨切り手術、脂肪が原因の場合は脂肪溶解注射など、別の治療法が適している可能性があります。

体への効果:多汗症・肩こり・ふくらはぎ

ボトックス注射の効果は、顔だけにとどまりません。体のさまざまな部位に応用することで、日常生活の悩みを軽減できます。

わき汗・多汗症の改善

わき汗や多汗症に悩む方にとって、ボトックス注射は画期的な治療法です。発汗を促進させる神経伝達物質のアセチルコリンを抑制することで、過剰な汗の働きを鈍くする効果が期待できます。

発汗を抑える効果は、治療後2~3日で現れ始め、約4~6か月持続します。ワンシーズンに1~2回の施術で済むため、毎年多くの方が利用されています。脇ボトックスは汗のにおいを直接抑える効果はありませんが、汗の量が減ることで雑菌の繁殖が抑えられ、結果的ににおいも軽減されます。

肩こり・首のこりの緩和

慢性的な肩こりや首のこりに悩む方にも、ボトックス注射は有効です。首から肩にかけて発達している筋肉である、僧帽筋(そうぼうきん)の緊張が強い部分にボトックスを注射することで、筋肉の緊張を弱め、こりをほぐすことができます。

また、筋肉の張りで肩が張っている方、肩のシルエットを美しく見せたい方にも効果的です。張りをほぐすことで首から肩にかけてのラインがすっきりし、首を長く見せる効果も期待できます。

ふくらはぎの筋肉縮小

スポーツやヒールの着用で発達したふくらはぎは、通常のダイエットでは細くするのが難しい部位です。ボトックス注射は筋肉の発達を抑制する作用があるため、筋肉太りしている部位に注射すると、ほっそりさせる効果が期待できます。

効果の持続期間と施術頻度

効果発現までの期間と持続時間

ボトックス注射の効果は永続的ではありません。効果の持続期間と適切な施術頻度を理解しておくことが大切です。

効果は施術後2~3日で徐々に現れ始め、1~2週間で最大効果を感じることができます。持続期間は個人差や部位により異なりますが、約3~6ヶ月持続します。製剤によっても持続期間は違うと言われており、米国アラガン社製のボトックスビスタ®は持続効果も安定していることを私自身も経験しております。

継続治療による効果の変化

これは、ボトックス治療を継続すると筋肉が萎縮していくため、ボトックスを打たなくても表情じわの動きが弱い状態になってくるからです。ただし、あまりに反復してボトックスを大量に使用していると、体内に抗体ができ、効きにくくなる可能性があります。

適切な施術間隔

そのため、治療間隔は最低3ヶ月空けることが推奨されています。適正な回数、頻度、量を守ることで、長期的に効果を維持しやすくなります。

ボトックスの施術部位ごとの料金(アラガン社製ボトックスビスタ®使用の場合)

施術部位・内容単位・範囲料金(税込)
表情じわボトックス
(額・眉間・目尻・あご・バニーライン・口角・ガミースマイル)
1部位22,000円
2部位39,600円
3部位52,800円
4部位61,600円
エラ(小顔ボトックス)約50単位55,000円
両ワキ(通常量)約50単位55,000円
両ワキ(増量)約80〜100単位82,500円
両ワキ(倍量)約100〜120単位110,000円
マイクロボトックス(毛穴・皮脂)10〜20単位33,000円
※全顔の場合:60単位目安33,000円 × 3
クリーム麻酔1部位3,300円

副作用とリスク:知っておくべきこと

比較的安全だが理解が必要

ボトックス注射は比較的安全な治療ですが、副作用やリスクを理解しておくことが重要です。

最も一般的な副作用:内出血

最も一般的な副作用は内出血です。皮膚の薄い目元や口元では内出血が起こる可能性があり、早くて2~3日、遅くて1週間程度続きます。お化粧でカバーできる程度のものがほとんどです。

その他の軽度な副作用

体質によっては、腫れやむくみが起こる可能性がありますが、重症になることは少ないです。また、100人に1人よりも低い割合で、術後の気分の悪さやめまいなどを訴える方がいらっしゃいます。安静にすれば1日程度で無くなることが多いです。

過剰治療によるリスク

適正な回数、頻度、量を超えて施術を受けてしまった場合、コウモリ顔、スポックフェイスなどと呼ばれる表情の違和感や突っ張り感が生じることがあります。治療計画をしっかり立てて医師の指示に従うことが大切です。

よくある質問:ボトックス注射のQ&A

Q: ボトックス注射は打ち続けないといけないのですか?

A: ボトックスの効果は、初回は3~4か月で効果がなくなってきますが、回数を重ねる毎に筋肉が萎縮していくため、ボトックスを打たなくても表情じわの動きが弱い状態になってきます。

Q: ボトックス注射は短期間に繰り返した方がいいのですか?

A: ボトックス注射は定期的に繰り返すことがおすすめされますが、治療間隔は最低3ヶ月は空けることをおすすめします。あまりに反復してボトックスを大量に使用していると、体の中に抗体が産生されやすくなるため、ボトックスが効きにくくなるとされています。

Q: ボトックス注射による効果の持続期間はどれくらいですか?

A: ボトックス注射の効果の持続期間は、個人差や部位にもよりますが、約3ヶ月~6ヶ月ほど持続します。詳しくは診察時にご確認ください。

Q: ボトックス注射の1回で効果を実感できますか?

A: ボトックス注射は1回の施術でも効果を実感できますが、即効性はないため、施術後2〜3日ほどで徐々に現れ、1〜2週間で効果を感じることができます。

Q: ボトックスをやめるとどうなる?

A: ボトックス注射をやめたからといって、急に老けることはありません。ボトックスの効果は時間の経過と共に消失していくため、表情ジワの治療であれば、徐々にもとのシワのある状態に戻ります。施術をやめるとシワが目立つように感じますが、老化が急に進むわけではありません。

まとめ:ボトックス注射で理想の自分へ

ボトックス注射は、顔の表情じわから体の多汗症まで、幅広い悩みに対応できる美容医療です。眉間、額、目尻の表情じわ改善、エラの小顔効果、わき汗や肩こりの緩和など、その適応範囲は多岐にわたります。

施術時間は約15分と短く、メスを使わないため傷跡が残らず、当日からメイクや洗顔が可能です。効果は施術後2〜3日で徐々に現れ、1〜2週間で最大効果を感じることができます。持続期間は約3〜6ヶ月で、製剤によっても差があります。

ただし、適切な施術を受けるためには、経験豊富な医師のもとで治療を受けることが重要です。注入量や注入部位の調整が仕上がりを左右するため、カウンセリングでしっかりと希望を伝え、医師と相談しながら治療計画を立てることが大切です。

ボトックス注射は、あなたの悩みを解決し、理想の自分に近づくための有効な選択肢です。気になる部位や症状がある方は、まずはLIKKAスキンクリニックへカウンセリングにいらしてみてください!

著者情報 

LIKKAスキンクリニック院長 林 瑠加

  • 日本形成外科学会認定 形成外科専門医、分野指導医
  • 日本創傷外科学会認定 創傷外科専門医
  • 日本美容外科学会(JSAPS)正会員
  • 日本抗加齢医学会認定 抗加齢医学専門医
  • 日本臨床毛髪学会 評議員
  • 医学博士