肌育治療とは
肌育治療とは、言葉の通り「肌を育てる」ことが目的の治療となります。数年前よりヨーロッパにて、あくまでも「自然に若返りを目指す」治療として盛んに行われるようになりました。栄養を与えてお肌の土台作りをしていくことで、美白(しみ、くすみ改善)、若返り(シワ、たるみ改善)、ニキビ・ニキビ跡、毛穴、そしてアトピー性皮膚炎などの慢性的な皮疹といった、様々なお悩みにアプローチする治療です。美味しい野菜やきれいな花を育てようと思ったときに、良い種をまく前にまずは土壌を良い状態に整えてあげること、そんな役割に似ているかもしれません。

お肌の機能の改善
肌トラブルはいずれも正常な皮膚の細胞の働きが乱れることで生じます。その原因としてはやはり「加齢」と「紫外線などの外的要因」の影響が大きいです。加齢により皮膚のコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸といった美肌成分は徐々に減少し、ハリツヤがなくなり、シワ・たるみへと進んでしまいます。また紫外線などの外的刺激は、皮膚が本来持っているバリア機能を破壊します。バリア機能が低下すると、水分や皮脂のバランス、ターンオーバーが乱れ、皮膚の炎症も起きやすくなります。
肌育治療の基本は、栄養を与えてお肌の土台を作り上げていくことです。適切な方法で栄養分を与えていくことで、肌の弾力や張力のもとであるコラーゲンやエラスチンなど肌を若々しく保つ美肌成分の産生を促進したり、傷ついた細胞がリモデリングしたりして、本来の皮膚が持つ機能を蘇らせたりすることが可能です。結果、あらゆる外的要因に対抗できる肌質を育て上げることが目標となります。

肌育コンビネーション
一般的に「肌育治療」=注射という認識がされているかと思いますが、肌の育て方には色々な方法があります。レーザーや光、高周波などの熱刺激、ダーマペンなどの物理的刺激、そして皮膚へ注入した薬剤自体の効果によるもの、などです。また注射による治療においては、使用する製剤によって肌育効果が異なります。当院では治療法として、肌育注射、機器による施術である「フォトツーフェイシャル®(GeneoX+StellaM22)」、肌育ピーリングなどをご提案しております。各種肌育製剤、各種ピーリング剤ともに、製剤によってターゲットとなる皮膚の層が異なります。同じ肌育治療を何度も受けるよりも、製剤ごとの特徴を踏まえながら複数の肌育治療を組み合わせていく方が、より皮膚の各層が強くなり、総合的にお肌の状態を整えていくことが可能です。

このような方におすすめ
- お肌のハリツヤを改善させたい
- 小じわを改善させたい
- 毛穴・肌質を改善させたい
- 目の下のクマを改善させたい
- 健康的な美しい素肌を手に入れたい
肌育注射
ジュビダームビスタ ボライトXC(ヒアルロン酸)
アラガン社製の、低分子と高分子のヒアルロン酸を組み合わせた、架橋(ヒアルロン酸同士が結びついている)ヒアルロン酸で、一般的にボリュームロスを補うためのヒアルロン酸と比して柔らかく、保水力の向上や小じわの改善、お肌のバリア機能改善が期待できます。非架橋のより柔らかいヒアルロン酸も肌育製剤として使われますが、ボライトVCは架橋されているため、非架橋のものに比べて保水力が9か月間と長期間持続するという特徴があります。アトピー性皮膚炎のような肌の保水力低下がベースにあるような皮膚炎が改善したという報告も見られます。またボライトは厚生労働省から日本で唯一、肌質改善の承認を得ている製剤です。


リジュラン(PN製剤)
リジュラン注射はサーモン注射とも呼ばれ、野生のサーモンのDNAから抽出されたポリヌクレオチド(PN)を主成分とした美容注射です。「サーモン注射」「PDRN(ポリデオキシヌクレオチド)注射」「DNA(デオキシリボ核酸)注射」とも言われることがあります。
リジュランは皮膚の自己再生能力を活性化させることを目的としております。成長因子の増産、毛細血管の循環促進、抗炎症作用、機能の低下したDNAの再合成といった作用から、皮膚の細胞を活性化させてお肌の再生を促し、ハリや弾力の改善、保湿力や皮脂バランスの改善、結果として乾燥や小じわが目立たなくなる効果などが期待できます。

リジュラン(スタンダードタイプ)
もっともスタンダードな製剤で、ポリヌクレオチド(PN)を2%と高濃度に配合した製剤です。皮膚の薄い部分から厚みのある部分まで幅広く対応でき、顔全体のシワやハリ不足、小じわ、くすみ、毛穴開きが気になる方にお勧めです。肌のターンオーバーを促進する効果あるため、くすみが改善され、明るい肌を取り戻すことが期待できます。顔以外にも、首や口元・法令線、手の甲、デコルテなど、エイジングサインが出やすい部位にも使用されます。

リジュランHB(ヒアルロン酸配合タイプ)
リジュランHBは、リジュランの効果に加えて、ヒアルロン酸による保湿効果も期待できます。肌の乾燥が気になる方や、より高い保湿効果を求める方におすすめです。リジュラン同様、顔全体や首、手の甲など、広い範囲に使用されます。またリドカイン(麻酔薬)を配合していることから、施術中の痛みや不快感が少ないと言われております。

リジュランi(アイ)(目元特化タイプ)
お悩みの出やすい目元用に特化し開発されたリジュランです。目元は皮膚が薄いため、柔らかい製剤でないと注入が難しいですが、有効成分もしっかり入っている必要があり、こちらのリジュランアイについてはポリヌクレオチド濃度はそのままに、目元用に柔らかく伸びが良い質感に開発されたものです。施術時の痛みが少なめで、ダウンタイムも短い傾向にあります。

フォトツーフェイシャル®(GeneoX+StellaM22)
3つのステップで4つのトリートメントが行えるGeneoXと、ブロードバンドな光で複合的なお肌のお悩みを改善していくフォトフェイシャル®を組み合わせて行っていく、ダウンタイムの極めて少ない肌育治療です。GeneoXにはタイトニング・角質除去・酸素充足・超音波導入が4つの機能が搭載されており、しっかり整った状態のお肌に光を入れていくことで、より一層のフォトフェイシャル®との相乗効果が期待できます。GeneoXのstep2で使用する「オキシポッド」はお肌のお悩みの応じて5種類より選択することができ、カスタマイズ性にも優れております。



肌育ピーリング(マッサージピール)
マッサージピールは、イタリア製の「PRX-T33」という特殊な薬剤で肌を優しくマッサージしながら顔全体に浸透させ、その後洗い流すピーリングです。通常のピーリングとは異なり、皮膚剥離をさせずに薬剤が皮膚の真皮にまで到達するため、線維芽細胞が活性化され、コラーゲンの生成を促し、弾力やハリのある肌へ導きます。コラーゲンの生成促進をもたらすことから「コラーゲンピール」とも呼ばれています。美白効果の高いコウジ酸も配合されておりますので、しみやくすみの改善にもお勧めです。

ヴェルベットスキン(マッサージピール+ダーマペン)
上記マッサージピールはダーマペンと併用して施術でき、ヴェルヴェットスキンと呼ばれます。ダーマペンを施術してから、マッサージピールを塗布することで、真皮層まで素早く有効成分を届けることができます。ダーマペンの創傷治癒効果とマッサージピールの真皮に及ぶピーリング効果が相まって、コラーゲン生成がより促進され、肌にハリを与え、毛穴の開きやくすみの改善、小じわの改善、美白、肌の弾力アップ、肌質改善などの効果が期待できます。
