皮膚における「亜鉛」の重要性
皆様こんにちは!林です。
GWが明けましたね。まだ体が何となくいつものペースに戻ってない私ですが、連休明けからたくさんの患者様にご来院いただき嬉しいです☆
さて本日は、体の内側からのケアに大切な成分のうち、「亜鉛」について取り上げてみようと思います。
日常の診療の中で、患者さんの症状に応じて時々「亜鉛」を取った方が良いですよ~とお勧めさせて頂くことがあります。
大学院時代に毛髪の研究をしていた頃から、実は結構な「亜鉛」信者でありまして。
その時は髪の毛に良いという観点から重要視しておりましたが、皮膚に対する影響についても勉強すればするほど深く関わっていることが分かりました。
日本臨床栄養学会においても、2025年1月に実に7年ぶりに「亜鉛欠乏症の診療指針2024」が発行され、改めて亜鉛の重要性が再確認されております。
亜鉛は必須ミネラルのひとつで、皮膚のタンパク質合成に関わっているため、不足すると正常な皮膚再生が起こりにくくなります(お肌のターンオーバーの遅延)。結果、亜鉛不足により皮膚のバリア機能が弱まり、乾燥や炎症を引き起こし、傷が治りにくくなってしまいます。
亜鉛の皮膚における影響
・皮膚の新陳代謝の促進
・創傷治癒促進作用
・皮膚のバリア機能の改善
・コラーゲンの合成に関与
特に口や目の周り、指先や爪、デリケートゾーンに症状が出やすいです。慢性的にこれらの部位に赤みやただれが起こりやすい方は、亜鉛欠乏が隠れているかもしれません。
実際に亜鉛が不足しやすいのは、下記の例があります。
・高齢者:高齢者の約4分の1が亜鉛欠乏であると言われています。摂取量不足、亜鉛不足を引き起こす基礎疾患の存在により不足しやすい。
・妊婦:妊娠中に必要摂取量が増加するため、相対的に不足しやすい。
・亜鉛の吸収を阻害する食物の過剰摂取:フィチン酸(玄米や大豆など)、コーヒー、アルコール、食物繊維、カルシウム
亜鉛は毛髪や爪の成分であるケラチン生成を助けるため、特に毛髪や爪の健康を考える際には亜鉛の働きは欠かせないもので、薄毛治療においては是非摂取して頂きたい成分のひとつです。
実際に毛髪治療中の方に亜鉛を適切に摂取して頂くと、毛髪への有効性のみならず、結果的に爪が良く伸び丈夫になった、お肌の調子が良くなった、という声をお聞きします。
またアトピー性皮膚炎においては、血中の亜鉛低下が認められることがあり、皮膚炎の原因の一つと考えられています。各種治療を行っても症状の改善に乏しい方は、実際に血中の亜鉛を定量し、不足があれば適度に補充していくことが必要です。
ひとつ注意しなければならないのは、摂り過ぎは良くないということです。亜鉛の過剰摂取により消化器症状を引き起こしたり、銅や鉄の吸収阻害による症状の恐れがあるため、推奨されている適切量を摂取するようにしましょう。
当院では安心のクリニック専用サプリ、MSS社の亜鉛をお取り扱いしております。

皮膚の健康維持の一つとして、ぜひ取り入れてみてください!