コラム

Qスイッチルビーレーザー治療とは?メラニン色素に効果的な確実性の高い治療法

2025.09.16

皆様、こんにちは!林です。

先日のスタッフのコラムでも書かせて頂きましたが、当院では新しくQスイッチルビーレーザーをこの度導入致しました!

本日はこちらの

Qスイッチルビーレーザーについて、治療の効果や選択肢について解説していきたいと思います。

694nmの波長を持つQスイッチルビーレーザーは、メラニン色素に高い選択性を持ち、反応する特性があります。一方でコラーゲンやヘモグロビンなどへの吸収率は低いため、他の組織へのダメージを最小限に抑えながら、ターゲットとなるメラニン色素を効率的に破壊できるのが大きな特徴です。青色や茶色の色素への反応に優れており、表皮の浅いシミだけでなく真皮層の深いシミにも効果を発揮します。

そのためシミやアザでお悩みの方にとって、とても確実性の高い治療方法と言えます。

Qスイッチルビーレーザー治療の種類と効果

Qスイッチルビーレーザー治療には主に2種類の方法があります。それぞれの特徴と効果について詳しく見ていきましょう。

ルビースポット治療

ルビースポット治療は、高出力のレーザーを集中的に照射し、局所的なシミやアザをピンポイントで除去する方法です。メラニン色素の濃さや深さに応じてパワーを調節することで、表皮にある浅いシミから真皮層の深いシミまで高い効果を発揮します。

当院で採用しているエムエムアンドニーク社製の「IB103EX」は、厚生労働省認可の国産医療機器であるため、太田母斑、異所性蒙古斑、外傷性色素沈着症、扁平母斑などには保険適用があります。いわゆる「シミ」である、老人性色素斑、日光黒子や、後述するADM(後天性真皮メラノサイトーシス)に関しても、自由診療の範疇にはなりますが、切れ味の良い治療をご提供することが可能です。

ルビーレーザーをシミやアザのあるメラニン色素を含む皮膚に照射すると、レーザー光がメラニン色素に吸収され、熱エネルギーに変換されます。この熱によってメラニン色素が破壊され、皮膚の浅い部分にある色素は数週間のうちに体表に排出され、皮膚の深い部分にある色素は、数ヶ月のうちに組織に吸収されていくという経過をたどります。

こんな方におすすめ

  • 少ない治療回数でシミを改善したい
  • 治療したシミが再発した
  • 他の治療で効果を実感できなかった
  • 太田母斑・扁平母斑で悩んでいる
  • アザが気になる

ルビートーニング治療

ルビートーニング治療は、低出力のレーザーを広範囲に照射することで、顔全体のシミやくすみを改善し、肌全体をトーンアップする治療法です。肌への負担が少なく、ダウンタイム(赤みや腫れ)も最小限に抑えられるのが特徴です。

特に肝斑と呼ばれる炎症性のシミに対しては、強い出力のスポット治療は行うことができませんが、ルビートーニングであればメラノサイト(メラニン色素を作る細胞)を刺激せず、やさしい出力でメラノサイトの異常活動によるメラニンの増加を徐々に抑えていくことが可能です。肝斑、薄いシミ、そばかす、くすみや色むらが気になる方におすすめの治療法です。

こんな方におすすめ

  • 肝斑を薄くしたい
  • しみ、ソバカス、くすみや色むらが気になる
  • 肌のハリ、キメや肌質を改善したい
  • 毛穴の引き締めをしたい

さらに詳しい解説はこちらからご覧いただけます。

肝斑治療におけるプレトリートメントの重要性

肝斑は炎症や刺激によって濃くなる「炎症性のシミ」の一種であり、メラノサイトが活性化している状態ですので、高出力のレーザーを照射すると悪化するリスクがあります。

ルビートーニングは肝斑治療にも高い効果を発揮しますが、慎重にアプローチするために、事前にメラノサイトの活性化を抑える「プレトリートメント」を行うことが推奨されています。プレトリートメントとしては、美白内服薬(トランサミン・ビタミンC)やハイドロキノンなどの美白剤が有効です。

施術の約1~2ヶ月前からプレトリートメントを開始することで、副作用のリスクを軽減するだけでなく、治療効果を高めることができます。

肝斑治療は難しいとよく言われますが、適切に診断したうえで、プレトリートメントおよび施術を組み合わせていくことで、安全に治療をしていくことが可能です。

ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)治療におけるQスイッチルビーレーザーの効果

シミ治療について調べられたことのある方、もしくはご相談されたことのある方は、「ADM」という呼び名のシミについて聞いたことがあるかもしれません。

ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)は、主に顔に発生するグレーや青味を帯びた色素斑で、10代後半~30代のアジア人女性に多く見られます。皮膚の深い部分にある真皮層に発生するのが特徴です。

ADMは顔の6箇所(額・こめかみ・頬・目の下・鼻の付け根・小鼻)に発生しやすく、頬、小鼻の順に多く見られます。左右対称にあらわれることがほとんどで、まれに片側のみの場合もあります。

皮膚の深い部分である真皮層に発生するADMは、通常の光治療(IPL)では効果が出にくいという特徴があります。しかし、Qスイッチルビーレーザーは真皮層にあるメラニンを確実に破壊できるパワーを持ち、レーザーの中でもADMへの効果が特に高いとされています。

当院ではADMが疑われるシミに対して、Qスイッチルビーレーザーによるスポット治療を推奨しております。ADMに対しては、3ヶ月ごとに3~4回照射を重ねると、ゆっくり薄くなっていくのが一般的です。肝斑の合併や色素沈着が起こりやすいため、肌の状態を見ながら慎重に治療を進めることが重要です。

Qスイッチルビーレーザー治療の流れとアフターケア

Qスイッチルビーレーザー治療を受ける際の流れとアフターケアについて理解しておくことで、安心して治療に臨むことができます。一般的な治療の流れは以下の通りです。

治療の流れ

まず診察・カウンセリングでは、医師が肌の状態やお悩みを診察します。施術に関することで不明な点や不安があれば遠慮なくお問い合わせください。

全顔治療であるルビートーニングの場合は、施術前に洗顔を行い、メイクや汚れを落とします。ルビースポット治療の場合は、部分的にメイクオフをさせて頂きます。必要に応じて麻酔を用いながら、目を保護しながらレーザーを照射します。施術が完了したら、スポット治療の場合は施術した患部を保護させて頂きます。ルビートーニングの場合は特に保護なくお帰り頂けます。

アフターケアの重要性

Qスイッチルビーレーザーの照射後は肌がとても敏感な状態になっているため、紫外線対策や保湿などのアフターケアが重要になります。しっかりケアすることで、色素沈着や新たなシミの発生の予防にもつながります。

ルビースポット治療の場合、施術直後は軟膏とテープで保護し、患部の直接のメイクは避けます。茶色のかさぶたが剥がれるまでは軟膏とテープでの保護を続け、かさぶたが剥がれた後はハイドロキノン(美白剤)を患部に塗布します。皮膚が張っていれば直接メイクも可能になります。

色素沈着、瘢痕、色素脱失などの副作用を予防するためにも、アフターケアは是非適切に行って頂ければと思います。

まとめ:Qスイッチルビーレーザー治療で理想の肌へ

Qスイッチルビーレーザー治療は、メラニン色素に選択的に反応する特性を活かし、周囲の組織へのダメージを最小限に抑えながら、シミやアザ、そばかす、ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)などの色素性皮膚疾患に高い効果を発揮します。当院では安心の厚生労働省認可の国産医療機器である、エムエムアンドニーク社製の「IB103EX」を用い、確実性の高い、安全な治療を提供させて頂きます。

アフターケアに対してもしっかりとご説明させて頂きますので、ご安心ください。

是非Qスイッチルビーレーザー治療で、自信を持てる美しい肌を手に入れてください!

著者情報 

LIKKAスキンクリニック院長 林 瑠加

  • 日本形成外科学会認定 形成外科専門医、分野指導医
  • 日本創傷外科学会認定 創傷外科専門医
  • 日本美容外科学会(JSAPS)正会員
  • 日本抗加齢医学会認定 抗加齢医学専門医
  • 日本臨床毛髪学会 評議員
  • 医学博士